今回から護摩での法話をここに残していこうと思ってます。
残念ながら護摩に参加できなかった…とか
遠いので来れない…
そういった方々にも見て頂ければ幸いです。
毎回、真言宗 弘法大師(空海)さんのお言葉を基に
いろいろとお話をさせて頂いております。
今回の住職の法話は
「理想をかざすより 思いやりが第一」
正しい道や理想を人に押しつけない
原文は
然れども猶(なお)、義(ぎ)を守る者は受けず。
道に順(したが)う者は正諫(しょうかん)するのみ。
「高野雑筆集」
官吏をしている知人から、周囲の不正を憂い、どう対処すべきか相談の手紙を受け取り
空海は「正義を守ろうとする者は金品を受けず、道を守ろうとする者は相手が誰であろうと
正しく諫めるほかはありません」とお返事を返しました。
でも、
「昔も今も、かつて清廉潔白の身で財を築いた者はなく、是非善悪を忠告し主君を諫めた人で
出世した者はおりません」とも付け加えております。
官吏とは役人の事で、そんな自分の上に立つ人間がこんな不正ばかりしていていいのでしょうか?
と相談したのでしょう…
そして空海は最後に
「それでもなお義を守り、正しい道を通すべきですが、
諫言の効果なく敵を作るだけなら官吏を辞めるか、病気を理由に地方への異動を求めるか
よく考えて行動して下さい」と相手の身を案じ締めくくってます。
理想だけを伝えるのがベストではなく相手への思いやりこそが第一なのです。